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なぜ古来から履物に革が使われて来たのか?

2024年8月4日

この問いに答えるとき、大きな二つの革の特性が頭に浮かびます。


一つ目は【吸放湿性】です。

足は1日にコップ1杯の汗をかくと言われています。革は水分を吸湿し、放湿する性能があり、これがいわゆる『革靴は蒸れにくい』ということです。


二つ目は【程良い塑性力】です。

塑性とは、力が加わって変形したときにその形に留まり続ける性質です。革はこの性質を程良く備えています。しかも、この特性は湿気があるときに強くなり、乾燥した状態では弱くなります。これが、よく言われる『靴が足に馴染む』ということです。


その他にも、耐摩耗性、引裂き強度、保温性、不燃性、磨かれて艶が出る経年美など、革には良い特性がたくさんありますが、上記二つが大きな要素と考えます。


現代では、コストダウンのための生産効率化の一環として、均質的な合成皮革や樹脂・生地を使った履物が多く流通しており、革の履物は一般に手に入りにくいアイテムとなりつつあります。

しかし、革や革靴は作るのに時間と労力がかかり高価になりがちですが、耐用年数はメンテナンスにより永年で、経年により魅力を増し、修理にも適しているので、非常に地球環境に優しいアイテムです。


私たちは、この古来からの知恵と文化を継承し、より履物文化を発展させることが出来たらと靴の製作を日々続けております。

愛用し履き続けていると、自から動いているように感じる革靴たち。

こんなに面白いものは他に無い

(笑)



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